沿岸バス豊富留萌線で目指せ幌延・稚内!
一番最初の奴↓
オロロンラインとは
一見するとリバースしていそうな名前だが、実際はそんなことは無くむしろ綺麗な景色を見せてくれる場所である。
まずオロロンラインとは北海道の石狩市という札幌市の北(札沼線が通っている場所)から稚内までの日本海側の道の総称。観光名所も多く、ドライブルートとして有名で、道北に向かうルートの一つしてたくさんのドライバーやチャリダーが利用している。
オロロンラインのバス
先ほど述べたようにオロロンラインはドライビングコースとして有名だが、バスも通っており(車を)持たざる者でも楽しむことができる。
まず一つ目は札幌~羽幌・豊富を走る高速はぼろ号
全区間を通しで走るのは4往復だが区間便も合わせれば7往復になる。これ一つでオロロンラインを満喫するのは無理だが、札幌からの移動手段で使うのはかなり便利かもしれない。おそらく地元住民のための高速バスだ。
こいつはただオロロンラインを通っているというだけでほぼ関係がない。
3つ目が今回乗車する沿岸バスが運行している路線バスだ。
区間便や別方向に小さく伸びているバスもありそれら全てを紹介するのはだるいので省略するが、留萌~羽幌~幌延~豊富といった感じで走る豊富留萌線という路線バスが通っている。
なぜこんな長距離バスが生まれたのか?
もともとこの留萌~幌延にはかつてJRの前身である国鉄によって「羽幌線」という鉄道路線が走っていた。しかし1987年の3月30日(JR北海道が誕生する前日)に全区間が廃止されてしまった。そして、その羽幌線の代わりとして走り始めたのが、沿岸バスの豊富留萌線だ。
そんな経緯で生まれたこの豊富留萌線だが、この路線の特徴はやはり「とにかく長い」この一言に限るだろう。
日本で一番長い路線バスが奈良交通が運営する、奈良の大和八木から和歌山県の紀伊半島の先のほうにある新宮までを結ぶ、八木新宮線(167.2km)であるが豊富留萌線は、それに次ぐ164.5kmを誇っている。
こんな感じでインパクトがあり、また景色もいいのでバス好きにとってはかなり有名らしいので、一度は乗っておきたいと思ったしだいである。
後、稚内まで行くのに宗谷本線往復というのが単純にめんどくさいというのもある。だって札幌から稚内まで396.2kmもあって、乗車時間は特急で5時間もかかる。北海道のでかさを思い知ったと同時に、これを往復するのはきついので、せめて変化を含めたいと感じるのはある意味当然の事かもしれない。
留萌駅から
というわけで札幌から18きっぷで、JRの普通列車(ほんのちょっとだけ特急)を乗り継いで留萌駅にやってきた。
ここは留萌地方の中心地で、留萌本線の中間駅はほぼ全てが無人駅にも関わらず、この留萌駅は有人駅で待合所もあればみどりの窓口もある、中心地として恥じない駅の構造だ。
駅前にはロータリーがあるが、バスはここにはやって来ないので少しだけ歩く。
沿岸バスの留萌駅前営業所にやってきた。一見するとただの待合所だがちゃんと窓口がありきっぷを買う事が出来る。
ただし、注意しておきたいのが、この窓口は営業時間が限られていて祝日の月水金しかやってない隔日営業。そのためそれ以外の日に行く場合は、委託先の販売所で確実に買っておこう。
↓委託販売先↓
ここでは萌えっこフリーきっぷなるものを購入
これは増毛~留萌~幌延~豊富とその他一部の路線バスが乗り降りし放題になるきっぷで1日用と2日用とスキップ2日券がある。スキップ2日券は連続した2日間ではなく、1日目使えて、2日目は使えず、3日目にまた使えるという用途が微妙に分からないきっぷ。恐らくではあるが、2日目に天売島と焼尻島を観光する人向けなのかもしれない。
今回購入したのは1日用の問寒別めいりんバージョン。
このキャラクターは沿岸バスのオリジナルキャラクター。まあ早い話鉄道むすめの沿岸バスバージョンだ。1年ごとにキャラクターが変わっており今年で12シーズン目となる。
プロフィールも各キャラごとに存在しており問寒別めいりんのを見てみると、隣町の観光協会に勤めている模様。そして趣味の欄を見てみるとどうやら鉄道旅が趣味らしい。
お前、バス会社のキャラクターだよな?
個性があるのはいいことです。(謎の上から目線)
きっぷを買ったのですぐ近くのバス停にやってきた豊富行きのバスに乗車。かつては観光型タイプのバスが走っていたようだが現在では、この段差の少ない路線バスタイプが主流となっているようだ。ここから約6時間(乗車時間は3時間20分程)の旅の始まり始まり~~。
ところで、なんか友人が俺の行程を変態扱いしていたが、同じ経路(宗谷線)を250kmを数日以内に往復するというお前もなかなか変態感あるぞ。
バスはほぼ全てが埋まる程度の混雑具合。途中までは留萌の中心地の中を走るからそこまでこんな感じだろうと思っていたが、留萌の北にある小平町の辺りまでは、こんな感じの混雑率であった。
留萌市街地を過ぎると道路が沿岸部に近くなる&景色を遮る建物が無くなって来るので、海がよく見えるようになる。また、この辺りからかつて走っていた国鉄羽幌線の遺構がチラチラ見えてくるらしい(多分)が、さすがに海側にはそれらしきものは見えなかった。遺構を見るなら山側がいいかもしれない。
途中の上平付近で逆方向の留萌市立病院行きとすれ違い。沿線人口は少ないもののバスの本数は1~2時間に1本は確保されているのですれ違いも何度かは見る事が出来る。しかも、景色を遮るものがほとんどないので、遠くからでもすぐに分かる。
これが上平バス停
一見すると普通のバス停だが、ここから古丹別行きのバスが出ている。バスはこの先も海沿いの道を進んでいくが、調べてみるとかつて走っていた国鉄羽幌線は、上平~古丹別~羽幌といったルートで通っていたみたいだ。ちなみに萌えっこフリーきっぷは古丹別に行くことも出来る。
羽幌町で下車
苫前町を過ぎてしばらくするとバスは、羽幌町に入る。この街は天売島・焼尻島へのアクセスの拠点ともなっている、おそらく豊富留萌線が通る町の中で2番目に大きな町だ(一番は留萌)
まずは羽幌町にある羽幌南大通5丁目バス停で下車。羽幌の町に入ってすぐのバス停だ。
ここから少し歩く。
ここで降りた目的は、ここから少し歩いた所にある羽幌郷土資料館。羽幌バスターミナルがこの街の中心地だが郷土資料館へは羽幌南大通5丁目バス停で降りるのが便利。
なお、休館日じゃないのに鍵がかかっていて中に入れない事もあるようだが、その時は庭で作業している管理人に開けてもらおう。
入場料は220円とかなり安めの設定。(しかも高校生以下は無料)
中にはかつてこの街を走っていた国鉄羽幌線の他に羽幌炭礦鉄道という私鉄の駅名票などが展示されていた。国鉄が走っていたのは何となく知っていたのだが、私鉄も存在していたことはここに来るまで知らなかった。
作業員の方々が実際に使っていたヘルメットを展示している場所はそう多くはないだろう。
他にも項目ごとの年表も置いてあった。この羽幌という町はもともとは石炭産業で栄えた街だ。かつて、大人の事情で他の炭鉱で石炭が取れなくなり、国鉄の機関車列車が運行できなくなくなりそうになった時、この羽幌炭鉱がフル稼働して国鉄の運行を支えたことがあったんだとか。
2階は羽幌町で取れた化石や地層についての展示物のコーナー。地層などの地学系は無知なのであまりよくわからなかったが、とにかくアンモナイトのインパクトがすごかった。勝手にアンモナイトというものは小さいものって認識していたが、普通に直径30cmを越えていそうなものもあった。
郷土資料館を出た後は少し歩いて沿岸バスの羽幌バスターミナルへ。羽幌町には、沿岸バス本社バスターミナル・羽幌ターミナル、といった感じで2つのターミナルが存在する。この羽幌バスターミナルは当時ここを走っていた国鉄羽幌線が廃止になり、その羽幌線の羽幌駅の跡地を利用して誕生したのである。
ターミナルの近くには羽幌線跡を示す歌碑がある。
中は地方にならどこにでもあるバスターミナルって感じ。高速バスや萌えっ子フリーきっぷなどだいたいのきっぷは買える。
かつて使われていた備品も展示...というよりかはケースの中に雑多に置かれていた。現在は、稚内に通じるバスは北都交通・宗谷バス運行の高速バスと音威子府までの宗谷バスの路線バスくらいしかないが、かつては沿岸バスも走っていたのだろうか?
ここからまた豊富行きのバスに乗車。
車内には、誰一人...いませんでした...。
自分と入れ違いで一人降りて行ったのを見たので、乗客0人という訳ではなかったらしいけど...おそらく羽幌町中心部に入ってすぐのバス停でみんな降りたのかもしれないけど...地方の路線バスの厳しさを知った。
バスの乗客がいないのはもちろんの事、中心地をでると他の車でさえ見かける事はほとんどなくなり、ただひたすらに何も通っていない道路の光景が広がるように。
ちょっとだけ初山別
次に降りたのは初山別村にあるしょさんべつ温泉バス停。この初山別村の観光スポットの一つでさっきまで通っていた国道232号線からは若干ずれた場所にあるが、バスはちゃんと施設の最寄りまで寄ってくれる。
ちょっと歩くと灯台みたいなものを発見
今回しょさんべつ温泉に寄った目的はこの神社。
オロロンラインの観光地について調べていたら出てきて面白そうだから行って来た。この神社に関してはあまりよくは知らないが、昔、漁師の人が奉った所海難事故が減ったという話があるので、多分海の神様かなんかかもしれない。
さて、参拝?を済ませて戻ってきたはいいが
来ないよ!バス!
定刻なら16時56分にバスが来る予定なのだが、17時を過ぎても来ない。都会に住んでいる人ならこれぐらいは当たり前だろと思うかもしれないが、今まで乗ってきた2本のバスは定刻通りにやってきてるのである。というのも、このオロロンラインは車の通りがほとんど無ければ、信号もほぼ無いのである。
結局7分程遅れてやってきた。定刻通りに来ない方が当たり前だし、バスは全く悪くないが、すごいドキドキして心臓に悪かった。
車内は
誰一人いませんでした...。
先ほどと同様の結果でしたとさ。
途中の遠別のバス停では学生がおおよそ5人くらいいた。だが乗ってきたのは2人だけだった。
遠別を過ぎると周りには緑が広がるというかほとんど変わらねえなおい。
どこまでもこの景色である。そしてたまに集落があるくらい。最初らへんは新鮮な気分であったが、終盤ではもうすでに飽きてる。ドライブコースとして有名なのはさっきも述べたが、景色が単調過ぎて後半は苦行と化しそうだ。
そして、あまりにも暇な俺は
ヤマノススメ読んでた
正直初山別からはこの記憶しかない。
ちなみに初山別市街地を過ぎるとバスはあれだけ走っていた、海沿いを離れ内陸部を走るように。もうすぐ目的地の幌延だ。
留萌を出発してからおよそ6時間
バスはついに幌延駅に到着。
本当はこの先の豊富駅まで続いてるし、留萌市立病院から留萌駅前まで乗ってないし、地味に羽幌南大通5丁目から羽幌ターミナルも乗ってないから完乗じゃないけどまあいいや。
これにて今回の豊富留萌線乗車記は、終わり!!!閉廷!!!解散!!!
さてここからは6時間半ぶりの列車。やってきた普通列車稚内行きで、日本最北の地稚内へ。車両はキハ54の1両編成。
ここで、特急宗谷号との行き違い。あちらは札幌行きだが19時を回ろうとしてるにも関わらず、ここから330km走ろうとしているのだ。
車内は自分を含め片手で数えられる程度しか乗ってなかった。
夏とはいえもうすでに日は暮れていてほとんど何も見えなかった。(まあ見えたとしても原野しか見えないだろうけど)
乗車して1時間ほどで終点の稚内駅に到着。
ついに日本最北端の地に降り立つことが出来た。ここで11時間ぶりに同行者のsyun君と合流できた。
駅舎はガラス張りのちょっぴり近代的な感じ。2011年に造られたらしく中にはバスの窓口やみやげ物店、さらには映画館までもある多目的な構造。
ホテルに荷物を置いた後は近くのセイコーマートへ。
そこで買ったのがこれだ。
北海道の商品でまとめた、セコマスペシャルとなっている。
この後は風呂入って寝た
終わり
というわけで以上がオロロンライン豊富留萌線の乗車記です。正直かなり適当なうえ、写真が少ないという事もあってかなり雑な仕上がりになったのは許してください...。
ただオロロンライン自体は風景がとても雄大で、普段見れない風景が広がっているので行ってみる価値は大いにあるだろう。
というわけで今回はここまで、ありがとうございました。
次回作
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