ナシオの巣

鉄道旅やら好きな事を気ままに

留萌線の駅巡りをしたかった。「鉄道旅ブログ」

希望の朝 

北海道旅6日目

旅行しているときはなんとも思っていなかったが、北海道にはもう既に一週間近くいる事に少しだけ驚いた。

朝起きたのは4時ちょっとすぎ。前日は思ったよりすぐ眠りにつくことができた。出発までしばらく時間があるので洗濯をすることに。

このホテルに一階にコインランドリーがあり、上が乾燥機で下が洗濯機になっている。半分寝ぼけながらお金を投入したら間違えて先に乾燥機に300円入れてしまった!

お金を無駄にしてしまったことに気づき、ほんの少し落胆したもののそれ以外は順調に洗濯を済ませる。

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無駄に動かしてしまった乾燥機

しかし、洗濯というものを俺は甘くみていた。

洗うところまではすぐに終わったけど、乾かすのが思っていた以上に時間がかかる。下着はすぐ乾いたがズボンがなかなか乾ききらない。ギリギリまで粘ったが結局は生乾きのズボンを肩に抱えてチェックアウトした。

 

さらば留萌

 

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乗るのは4922D列車深川行き。おそらく昨日二番線に停車していた車両だ。

車内は意外にも人がそこそこ乗っていた。まあおそらく同業者だろうが。

とりあえず空いている席を見つけ窓側に座る。通路側の席に荷物を置いて、その荷物を覆うような形でさっき洗濯した生乾きのズボンを乗っける。

 

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昨日の夜と同様に並びを見る事が出来た。

 

今日の目的は留萌本線の駅巡り。この路線も本数が少ない部類ではあるが、この朝の時間帯は留萌駅を基準に5時から9時まで1時間間隔で深川行きの列車が発車していく。

 

峠下駅 

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まず最初に降りたのは峠下駅

この峠下駅は1910年に、留萌本線が留萌に伸びたと同時に開業した歴史ある由緒正しい駅だ。2016年に増毛~留萌が廃止されて留萌が終着駅になってからは留萌本線唯一の途中駅での行き違い可能駅。実際に本数が多い朝の時間帯などでは、この駅で行き違いをするダイヤが組まれており無人駅でありながら峠下駅の重要性は高い。

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駅のホームは足元は石で埋め尽くされ、その下は木で出来ている。

 

上下線のホームは食い違うような感じで配置されており、ホーム同士の移動は構内踏切を使って移動する。この構造はかつてタブレット閉塞だった時代に、上りの運転士と下りの運転士がタブレットを交換する際に効率よくするために配慮されたものだ。

 

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ホームの長さはかなり長い。よくは分からないが、かつて留萌本線には札幌から函館線・留萌線を通って増毛に向かう急行「ましけ」札幌から留萌まで行って羽幌線経由で幌延まで向かう急行「はぼろ」旭川から留萌へ向かう急行「るもい」といった優等列車があれば貨物列車も走っていたのでその名残だろうか。

今となっては1~2両しか停まらない分アンバランスさは感じるが、そのアンバランスさが魅力でもある。

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駅舎の中は全くと言っていいほど何もない。だいたいの駅はベンチくらいはあるが、それすらもない。

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駅舎は昔ながらの木造建築。入口の上のJRマークが鉄道の駅であることを強く主張している。まあ悪くはない。

 

バスに乗る 

さて、ここからは列車...ではなくバスに乗る。最初はこの駅前にバスがやってくるものだと思っていたがどうやら違うらしい。駅から留萌駅方面に歩いて5分くらいの所にあるようだ。そして、気づいたのがバスがやってくる5分前。北海道の田舎のバスは大体定刻通りに来ることは豊富留萌線宗谷バスで経験していたので、猛ダッシュで向かった。皆はちゃんと調べような!

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T字路でどこにあるか分からなかったが何とか見つけることができた。

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使う人がいるのかはまったくもって不明だが、一応場所のスクショを撮っていたので載せておく。

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バス停に着いてから2分くらいでバスがやってきた。ここからはバスに乗って秩父別まで向かう。

 

留萌本線沿線には今乗っている留萌~秩父別~深川~旭川を結ぶ沿岸バスの留萌旭川線、石狩沼田~秩父別~深川を結ぶ空知中央バスの沼田線が存在し、鉄道としのぎを削っている。留萌~深川ではバスが運賃1100円で1時間14分、留萌線が運賃1290円で50分程とほぼ互角の戦い。本数も、イメージではバスの方が圧倒的に多い感じがするが実際はバス・JRともに留萌発は9本。日中の時間帯はバスがほぼ1時間おきに安定して走っているのに対し、JRは2~3時間列車がやってこないことがある。ただ、始発が早く最終が遅いのはJRなので、日中はバス、それ以外はJRといったすみ分けが出来ている...のかもしれない。

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バスは快調に国道233号線を進む。留萌本線は沼田を経由して秩父別・深川へ向かうが、バスは沼田を経由せず山の中を走っていくのでバス停があったとしても乗り降りはほとんどない。バスの運転手も峠下で自分が乗ってきた時は驚いていた...かもしれない。

 

やらかし 

今日の朝は変な時間(3時)に起きてしまった為、朝の眠気がすごい。さらにバスの揺れがちょうどいい感じで眠気を誘ってくるのだ。そこで目的地の秩父別まで眠ろうと思い、アラームをセットして窓によっかかる形で眠った。そこまでは覚えている。だが目が覚めて現在地を確認するためにgoogleマップを見てみると.....秩父別はとうの昔に通過していた...。いわゆる寝過ごしだ。

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さて、半ば呆然とした状態で降りたのは1番通5丁目。1番通りと聞くと繁華街のメインストリートっぽい感じはするが実際は何もない場所にあるだけだ。

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 仕方ないので何もない道路をひたすら歩く。天気が良くTHE北海道な景色を思いっきり感じ取れたのが救いだ。

 

北一已駅

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歩くこと20~30分。着いたのは留萌本線北一已駅。こう書いて「きたいちやん」と読む。駅巡りの行程を決める際にWikipediaを見て、1番通り5丁目から北一已まで歩けるのを知っていたからできた芸当だ。

 

周辺には本当に田んぼくらいしかなく、だれが利用するんだと疑問には感じたが、もう散々そういった駅は巡ってきたのでこれ以上は気にしない事に。

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これが駅舎の中。ガランとしているのはどこも一緒だが、ベンチはある。

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この駅の歴史を記した資料。田んぼしかないが、かつては利用客がおりその利用客達が力を合わせて駅舎を造り運営していたようだ。

また、Wikipediaにも載っていたがこの駅が全国初の業務委託駅でもある。駅というものは最近になってこそ鉄道会社の子会社が運営しているケースも増えてきたが、昔は直営が主だった。そんな時代風景を考えると画期的な試みだ。

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列車がやってきた。本当は秩父別・恵比島と回ったのちに恵比島から石狩沼田へ向けて乗る予定だった列車だ。悔しさは残るが仕方がない。恵比島は無くなってしまうがそれ以外の2つはもう数年は残ってくれそうだから、その時に行くとしよう...。

 

列車に乗る事数分、終着の深川駅に到着した。北一已から深川は比較的距離が短く、駅を発車してすぐに深川の案内をしていた。

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使うはずだったライラック16号の指定席券

実は昨日、深名線のバスに乗る際に深川で40分程待ち時間があったので、記念入場券とフリーパスの特典利用として、深川を10時19分に出るライラック16号の指定席を予約してあったのだ。

せっかくだからライラック16号が来るまで深川の街を見てみるか...と考えて観光スポットを検索してみたが、特にこれといった面白そうなものは見つけられなかったので、さっさと札幌へ向かうため1番線へ移動。ライラック16号の指定席券はただの紙くずと化したのでここに載せて供養させて頂く。

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ライラック14号札幌行き、これで一気に終点の札幌まで向かう。これにて数日かけてふらふらしていた、深川・旭川エリアともお別れだ。

 

車両はまたしても789系の0番台。函館線特急は今回の旅で4回目だが、そのうち3回がこの0番台であった。

 

長距離利用する事を理由に、昨日指定席を取ったわけだが、車内は見事にガラガラ。このライラック・カムイは札幌と旭川という都会同士を結ぶこともあって道内の特急の中ではかなり利用客が多い方ではあるが、コロナの影響が大きく、ガラガラ(2回目)

JR北海道が発表した線区別利用状況のプレスリリースによると、旭川岩見沢の輸送密度は2019年度が8315人/日に対し、2020年度は3804人/日にまで減少しており、 石勝線とともに旭川岩見沢の利用者数減少が大きく取りざたされている。

旭川岩見沢も石勝線も特急列車が主体の区間なので、いかに特急列車の利用者数が減少しているかがよく分かった。

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途中停車する岩見沢は、札幌~旭川の間にある街の中では比較的大きな場所。札幌への普通列車も毎時2本ほど出ており、割と便利な方ではあるが時間が少しかかる。

札幌~岩見沢区間では、特急の自由席がお得に利用できる往復券Sきっぷ(1980円)が存在しており、並行して走る北海道中央バスのいわみざわ号の往復(1660円)といい勝負をしている。バスとの競争力もあり、需要はありそうだったが、実際は数人乗客が入れ替わる程度であった。

 

札幌に戻ってきたぞ

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終着の札幌に到着。最初に新千歳空港に降り立ち、その翌日に稚内に向けて出発して以来、実に5日ぶりに戻ってきた。流石は大都会札幌、人も多いしビルも多い。まるで上京してきた青年の気分だ。

 

さて、ここからは何をしよう。実は、今日の予定は留萌線の駅巡り(台無しになったけど)以外何も予定を立てていなかったのだ。とりあえずどうしようか...。まだ巡っていない札幌の王道観光地は後日巡ることになっているので、観光地巡りは無し。札幌の列車を撮影しようとしても、撮影地が分からない。

 

とりあえずだらだらとTwitterを眺めたら、昨日の朝別れたsyun君が、函館線の列車に乗って小樽へ向かっているとのこと。てなわけで小樽へ向かうことに決定。

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ホテルが道を挟んだ向かい側にあるのが分かる

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ホテルが道を挟んだ向かい側にあるのが分かる


まずやってきたのはホテルグレイスリー札幌。札幌ここが今日の宿泊地だ。まだお昼前ということもあって、流石にチェックインはできなかったが、リュックは預かってもらう事に成功。カメラバックに財布と携帯、カメラといった最低限の物を詰めてホテルを後にした。

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小樽へは快速エアポートで移動すれば速くて快適。だが日中はとりあえず各駅だろう快速だろうと先に来た小樽行きが先に小樽へ着くのですぐに発車する普通列車の小樽行きに乗車。小樽ではなく、途中の手稲まで向かう。

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幸運なことになんと普通列車でありながらエアポート編成が充当されていた。なので乗るのは当然4号車のUシート車。快速エアポート運用だと指定席券が必要だが、今回は普通列車なので無料で乗れる、札幌圏の乗り得列車だ。

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ガラガラな荷物棚

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車内は空港利用客に配慮された荷物置き場もあり、座席もリクライニング機能付き。さらに、照明も暖色系で落ち着いた雰囲気を演出しており、思っていたよりもずっと快適。しかも、定期的に利用している札幌圏内の人にも、普通列車Uシートは無料で乗れることは周知されておらず、他の号車では窓側の席がほぼ全て埋まる程度には乗車しているにも関わらず、簡単に窓側が開いている席を発見できた。

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せっかくだからこのまま小樽まで乗っていこうかな...と考えたがここは予定通り手稲駅で下車。

この手稲駅は札幌市手稲区の中心駅。この駅周辺は住宅が広がっており、朝夕時間帯はたくさんの通勤通学客でにぎわう。

 

ここで降りた理由は手稲駅の記念入場券を買うためだ。基本的には各市町村につき、発売駅は一つとなっているが、札幌市は札幌と手稲の二つで発売している。

 

ちょっとだけバス旅 

手稲駅での用事はこれにて終了。窓口で3分もかからなかった。用事を済ませて今度こそ小樽...ではなくまた寄り道をする。

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 JR北海道バス宮65系統小樽行き。手稲からはこのバスで移動する。札幌から小樽への移動に関しては、JRの函館線か北海道中央バスJR北海道バスが運行しているおたる号の2つしかない...と思うかもしれないが実は路線バスで札幌~小樽の移動もできる。とはいえ仮にこの路線バスで小樽まで行こうとすると1時間はかかり、時間的にも他の手段と比べると不利で、車両も普通の路線バス仕様なので人によってはきついかもしれない。

さらに札幌側の始発は札幌駅でも大通でもなければカスりもせず、地下鉄の宮の沢駅。物好きか地元住民の人しか使わないだろう。

 

バスは手稲駅を出発すると、市街地の中を走っていく。この辺りになると今まで訪れた地域を凌駕する程車の通りは激しくなるが、北海道の道路は東京と比べると広いので、多少の信号待ちや渋滞はあれど、割とスムーズに走ってくれる。

 

銭函

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二つ目の寄り道場所は銭函。ここは縁起のよい地名として知られていて、函館線の駅の銭函では10月17日通称「貯蓄の日」では記念入場券を発売していたんだとか。てか貯蓄の日っていう存在を今初めて知った。

ちなみに地名の由来はニシンが大量に取れ、漁師の家に銭箱が積まれていたかららしい。銭函はお金が集まりそうなのではなく、実際によく集まっていたのだ。

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バス停の銭函銭函駅は若干ではあるが離れている。閑静な住宅街...というよりかはのどかな田舎町の道を10分程歩くと、踏切が現れる。その踏切を渡って小樽方面に向けて歩けば銭函駅が見えてくる。

 

今回なぜ銭函へやってきたかというと、銭函駅から小樽方面へ向けて歩いた先に、函館線の有名撮影地があるからだ。

 

そこに向かう道は一つしかなく、そこを通る必要があるのだが...

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もはや道...なのか?見てみると線路と道の間に柵があるわけではなく、とりあえず並んでいる茶色い石が境界線の役割をしている...?

通っていいのか...?と疑問には思ったが、ちょうど通りかかった地元の人が通っていったのでとりあえず大丈夫と判断。撮影地へ向かう。

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着いた。かなり適当にまとめたが、ここまで来るのはめんどくさい。途中まではギリ道を通りそこを抜けると完全に海岸。地面が砂になっているタイプの海岸なら楽に歩けるが、ここは地面が岩タイプだ。その岩が散乱している足元の悪い所を通りやっとたどり着く。

 

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とりあえず適当に撮影。お試しで一眼で動画を撮ってみたが、やっぱり一眼は写真専用で運用した方がいい(当たり前)

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駅に戻ってきた。JR東日本基準で見ると、とっくの昔に無人化されていてもされていてもおかしくない規模感ではあるが、しっかりと駅員が配置されている。せっかく縁起のよい駅に来ているので、フリーパスの特典を行使して数日後に使う北斗20号の指定席を取ってもらった。やはりこのご時世という事もあって席は十分すぎる程空いていた。

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二回の寄り道を終わらせて、今度こそ小樽へ向かう。やってきたのは731系。721系がクロスシート・デッキ付きの近郊型に対し、こちらはデッキ無し・オールロングシートの典型的な通勤型。このタイプの車両が必要な程札幌圏では多くの人が鉄道を利用する。

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終点の小樽に到着。前回小樽に来た時はちょこっと駅前を見た後、すぐに倶知安行き列車に乗ってしまった為、観光目的で降りるのは今回が初めてだ。

 

 

終わり

というわけで今回はここまで。正直バス寝過ごしは今でも悔やまれる...。ちなみにここから先もハプニングは発生するのでお楽しみに!!!!!

てなわけで本日もありがとうございました。

 

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