ナシオの巣

鉄道旅やら好きな事を気ままに

小樽大観光編「鉄道旅ブログ」

 

 

 小樽を歩く

 

あわてて駅前を取っていた前回は気づかなかったが、この小樽駅はかなりシックなデザインとなっている。各乗り場と改札を結ぶ地下通路は壁が茶色いタイル風になっており、コンコースにはたくさんのランプで彩られている。昭和というよりかは大正時代って感じだ。

 

改札を通り外に出ると1日前の朝に分かれたsyun君が出迎えてくれた。

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まずは駅前にある鐘を鳴らす。この鐘はむかい鐘といって、かつて駅に列車がやってきた際にそれを知らせる為に使われていたものだ。下り列車は2回、上りは3回鳴らしていたそうな。

ただこれが列車を迎えるために使われていた事は知らず、パワースポットにある恋人同士が結ばれる為の何かだと勘違いして鳴らした。

 

小樽といえば海産物や運河だ。もちろん運河は見に行くが一番の目的はやっぱり小樽市総合博物館だ。

小樽駅から博物館まではまっすぐ行けば徒歩で15分程。駅前からはバスも出ていてそっちを使った方が便利なのは当たり前だが、小樽の街並みを楽しむために、あえて歩きで行くことに。

 

小樽という街は北海道の中では、かなり歴史のある街だ。なので歴史ある建築物もたくさんあるのかな~と思って街を歩いたが、実際はそうでもなかった。もちろんレンガ造りの建物も所々にはあるが、さすがに今風のコンクリート造りがほとんどだ。

 

手宮線跡

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駅から延びる中央通を歩いていくと見えてくるのが、この手宮線跡。手宮線は小樽市手宮から現南小樽駅まで伸びていた路線だ。この路線はJRの前身である国鉄のさらに前身である官営幌内鉄道という鉄道事業者によって開業された北海道初の鉄道。

港にやってきた荷物を輸送したり、沿線住民を輸送したりと貨物・旅客輸送両方で活躍していたが、利用客の減少により1962年に旅客輸送は廃止。その後は貨物輸送のみ続けられたがそれも需要が減っていき1985年に完全に手宮線は廃線となってしまった。

今となっては遊歩道として整備され、線路の上を歩くことができる。

 

小樽運河

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中央通りの一番奥まで進むと見えるのが、小樽を代表する場所「小樽運河」だ。この小樽運河は、自然に造られた河川では無く、人工的に造られたもの。

北海道がまだ未開拓の僻地であった時代、北海道を開拓するために海陸連絡地として栄えたのがこの小樽という街だ。そして、その船を受け入れていた小樽港が徐々に手狭になり、倉庫へ直接船を持っていくために建設されたのがこの小樽運河だ。現在は、小樽港が埠頭が建設されて発展し、捌ける船の量が増えたため手宮線と同様に役目を終え、観光地として生きている。

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別の所から撮った写真。なんか異世界転生もののアニメに出てくる景色みたい。

 

小樽市総合博物館(本館) 

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駅から歩いておおよそ1時間、やっと博物館に着いた。歩く選択をしたのは自分とはいえ、さすがに疲れた。

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入館料は大人400円。普通に入館券を買おうとしたが窓口の人に運河館との共通券の購入を勧められた。同行者のsyun君は帰りの飛行機の関係で買わなかったが、自分は少し迷った末に共通入館券(600円)を購入した。

 

この博物館の魅力は鉄道車両がたくさん展示されている所だ。

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入ってすぐに見えるのが国鉄7100形機関車しづか号だ。先ほど少し触れた手宮線で使われていたアメリカ製の機関車であり、最初に北海道を走った機関車でもある。

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屋内は主に資料の展示がメインだ。

今の写真は鉄道を建設するにあたり重要な作業である測量の様子を俯瞰して見たもの。

屋内ではたくさんの資料の展示があるが、あまり写真は撮っていない。というか撮るのを忘れたので紹介はここまでとさせていただいて屋外にでる。 

 

屋外は車両の展示がメイン。その量はかなり多くこれらをじっくり見て回れば数時間は余裕でつぶれそうだ。

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DE10の503号機。この機関車が誕生する4年前に誕生した幹線用のディーゼル機関車DD51をアレンジしたもの。重量はDD51と比べると20t近い軽量化が施され、主に線路規格の低いローカル線に導入された。

貨物列車や旅客列車さらには車庫の入れ替えも担当し、当時全国のローカル線でSLを置き換え近代化に大きく貢献した機関車だ。

展示されているこの車両は500番台に分類される。

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こいつはマニ30。おそらく日本でこの車両を展示しているのはここだけだろう。

この車両は荷物車というジャンルに分類される。といっても他の車両のように郵便物やそれに準拠する小荷物...ではなく現金を輸送していた。そのため見た目も中身もかなり特徴的だ。

その中で一番特徴的なのは全身が青の塗装で覆われ、窓がほとんどない所だろう。窓があれば開放的にはなるが、現金を輸送する以上それは防犯上窓というものはあってはならないものなのだろう。

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マニ30が展示されている場所はホームが設置されており、普段列車に乗るときと同じ目線で保存車両を見る事ができる。

そんなホームの先頭はこのように、かつて北海道の鉄道の最前線で活躍した名車が展示されている。

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これがキハ82系。札幌~釧路を根室本線経由で結ぶ「おおぞら」札幌~函館を室蘭線経由で結ぶ「北斗」同区間を函館線経由で結ぶ「北海」等々北海道の幹線を特急として走りまわった名車だ。

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真ん中に展示されているのがC55形機関車。1930年代に当時の亜幹線(東北本線東海道線といった主要路線)や丙線(それ以外の地方路線)等々様々な路線で活躍できる機関車として製造された。後にC55の改良版として製造されたC57の方がたくさん製造され、影は薄くなったが性能面での評価は良く長期間の活躍を見せた。

このC55が最後に活躍したのが宗谷本線という事もあって、北海道との結びつきが強い機関車だ。

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C55の隣がED76。先代のED75が北海道初の国鉄電気機関車であったが、運用面でトラブルが多く制約があったことからその代わりとして製造された機関車だ。主に函館本線といった幹線の旅客客車列車の運用に使われていた模様。

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これはキ1567。もともと単線用の除雪車キ550を複線用に改造した車両。

 

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これがキハ03。この形式の元となったキハ01がバスの設計を利用して造られた日本初のレールバス。最初はそのキハ01が北海道のローカル線で利用されていたが、耐寒耐雪への配慮が足りなかったことから本州に左遷され、その代わりにやってきたのが写真のキハ03だ。

こうしてキハ03が北海道で活躍し始めたが、耐用年数の短いバスの設計を利用したためにすぐにガタがきてしまい結局キハ01・02・03はすぐに廃車になってしまった。

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アイアンホース号。この車両はこの博物館が開業したのに伴い、アメリカの保存鉄道から輸入された車両。他の保存車両は動かさない静態保存という形で保存されているが、このアイアンホース号は動かすことができる。

整理券を買えば後ろに連結されている客車に乗れ、アトラクションとして楽しむことができる。

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屋外展示場の端っこには雑多な国鉄気動車が連結した状態で展示されている。

その先頭を飾っているのがキハ56の23だ。このキハ56という車両は北海道向けの急行型気動車として1961年にデビューした車両だ。

 

ある程度楽しんだので本館を後にし、別館の方へ向かう。

本館と別館は近そう...って感じるが歩いてみると15分はかかる模様.。もはや本当に別の博物館じゃね?って思いつつ歩く。

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運河館に向かう途中に現れたのがこの倉庫。旧右近倉庫というらしくかつて小樽が倉庫街であった時代の面影を残している貴重な建物だ。

 

小樽市総合博物館(運河館)

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運河館に着いた。行きは気づかなかったが、小樽という街は右近倉庫のような小樽にしかないような建物が点在しているのでなんだかんだで飽きなかった。ただ疲れた。

 

運河館は本館と違って鉄道要素はほぼ皆無に近い。そのため鉄道ファンからはあまり見向きはされなさそうだがそれなりに面白いと思う。

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これが札幌と小樽の人口のグラフ。今でこそ札幌は人口200万都市で北海道で一番人口が多い場所であるが、つい100年前は小樽・函館の方が人口が多かったのだ。

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これが貿易船で扱っていた品々。味噌・醤油・砂糖といった調味料全般、陶器や漆器といった特産品、さらには医薬品等々様々なものを取り扱っていたようだ。

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大体どこの博物館にもある昔の建物を再現したコーナー。

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続いてこちらが第二展示室。最初の所は産業・文化がメインとなっているが第二展示室は自然がメインとなっている。

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これが北海道の自然の実物大模型。こういった自然は立ち入らない...というか立ち入ったらたいてい危険な目に合うので行ったことはないが、イメージ通りって感じだ。

後これ、ものすごくクオリティが高い。最初にこれを見たときはなぜここに動物が...って絶句するくらいにはクオリティが高い。皆さんも他の展示物に興味がなかったとしても是非これを見る為だけに運河館に入ってほしい。

 

高速バスにタダ乗り 

 

小樽観光はこれにて終了。他にも見どころはあるにはあるが、時間がもう遅くて閉まっている所がほとんどなので帰路につくことにする。行きは鉄道と路線バスの組み合わせで来た。帰りはさすがに鉄道オンリー...ではなく高速バスで帰る。

実は北海道フリーパスとHOKKAIDO LOVE 六日間周遊パスはJR北海道バスのおたる号に限り高速バスに乗ることができる。

北海道フリーパスの利用可能な設備の欄には

 

ジェイ・アール北海道バス線に乗り降り自由です。ただし、札幌~旭川間、札幌~帯広間、札幌~紋別間、札幌~えりも間、札幌~広尾間の都市間バス及び臨時バスを除きます。

 

JR北海道バスの高速バス路線のほぼ全てが利用できないと言及されているが、ここに唯一書かれていない高速バス路線が札幌~小樽間を走る、高速おたる号だ。

他のバスは電話や窓口であらかじめ予約しなければいけないが、おたる号だけは予約不要で乗ることが出来るのがフリーパスに乗れる要因とみた。 

 

とはいえさすがに心配になってあらゆる旅ブログを事前に見ておいたが、北海道フリーパスで高速おたる号に乗っている記事は見当たらなかった。

なので今回、私が実際に乗って確かめてみようではないか

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そう意気込んでやってきたのは小樽駅ではなく、駅前にある北海道中央バスターミナル。ここを拠点に札幌方面や鉄道が弱い余市ニセコ方面へのバスが発着している。高速おたる号はJR北海道バス北海道中央バスの共同運行便であるため、どちらの会社のバスもここから発車していく。

 

ターミナルに着くと北海道中央バスのおたる号・札幌行きが発車する直前だったが、それはスルー。次に来るJR北海道バスの便を待つ。

このおたる号は需要が多い区間を走る事もあって、本数はかなり多い。時刻表を見てみるとルートが3つありこれら全てを合わせるとだいたい10分に1本は来る。

しかしこのご時世、バス利用客は少なくなっており、需要に応じていくつか便が運休になっていた。それだけだったらいいが、運の悪いことに乗るはずであったJR北海道バスの便が運休になっていた。遅くなるのは残念だがもう10分待つことに。

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バスがやってきた。北海道内で高速バス・観光バスタイプの車両に乗ったことは何回かあるが、道内の高速バス路線に乗るのはこれが初めてだ。

乗る人はICカードで運賃を支払うか、着いた時に現金を支払う方法。一般の路線バスと仕様は同じだ。

コロナ対策として、前面がよく見えるマニア御用達の席が封鎖されているバスが多くなってきたが、おたる号では開放されていた。ありがたく座らせていただいた。

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路線バスに準拠した走りを見せる

バスは10人程の乗客を乗せて発車。ここからバスはしばらく小樽の市街地を国道5号線経由で走っていく。小樽市内でも乗降は認められているので札幌への都市間高速バスだけでなく、市内利用も見据えた路線バスとしての性格も併せ持っている。

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 しばらく走ると小樽ICに到着する。バスはここから札幌自動車道を通り札幌へ向かう。ICを通る直前あたりからシートベルトを着用するように注意が促され、それが高速道路への進入の合図みたいなものだ。

 

そのままバスは高速道路を快調に走り、札幌西ICで道道124号へ移り終着の札幌まで下道で向かう。

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高速道路を降りた直後

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時計台前付近。

ターミナルはすぐそこ。

 

終着の札幌バスターミナルに到着。自分以外の乗客は皆、現金かICカードを利用して出ていっており、フリーパス利用は自分だけだ。もしフリーパス利用がダメだった場合に後がつっかえると申し訳ないので一番最後に出る。

 

そして、運命の時...果たしておたる号にタダ乗りできたのか...?

 

 

 

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出来ました

 

最初運転手さんにフリーパスを見せたときは、じっくりとフリーパスを見つめており運転手と自分の間に流れる空気が張りつき、これはだめか...と感じ正規運賃680円を払う準備を始めようとした瞬間「大丈夫です。ありがとうございました。」とバスから出てもいい宣言。

やったぜ。

ホテルにチェックイン 

さて、バスを降りた後はやる事を考えていなかったのでホテルへ向かった。

 

今回は札幌夏割で宿泊代が5000円割引になることをいいことに、朝飯付きで予約をした。

しかし受付中に言われたのが、ホテルには朝食として和食メニューと洋食メニューがあるのだがコロナの影響で洋食メニューが作れないとのこと。

朝はパン派の自分にとっては残念だが仕方ない。若干腑に落ちない気分でもあるが受け入れよう。

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これが部屋

普段ドミトリータイプの部屋ばっかり泊っているのでこういったビジネスホテルでも豪華に感じてしまう。

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冷蔵庫を開けてみると無料のペットボトル水。これはもう豪華ホテルですわ。

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そしてこの緑色の物体がスマイルクーポン。札幌夏割ではホテル代の割引だけでなく、一人一泊三千円分のクーポンの配布も行っている。ちなみに今回ホテルグレイスリー札幌のシングル朝ご飯付きプランが、札幌夏割の割引を受けて2500円。そこから3000円分のクーポンを貰ったので実質500円貰ってホテルに泊まっている事になる。これは儲けものだ。

しかし、このスマイルクーポンはホテルによっては既に配布を終了している場所も出てきており、事実1日目に泊まったホテルでは割引は受けられたものの、クーポンは配布終了しており貰うことはできなかった。なので今回貰うことができたのは本当に運がよかったと言える。

 

ホテルの部屋に荷物を置いた後は、ちょっと早いが風呂に入った。

風呂を出たのが夜の7時過ぎ。せっかくだから1日目に行ったものの、霧とリア充しか見えず散々な結果だった藻岩山へ上りに行こうと考えたが...

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既にロープウェーは運行終了していた。どうやらおたる号を札幌で降りた時点で終わっていたらしい。

 

しばらくホテルでダラダラしたのちに夜ご飯を食べに外に出た。

札幌には様々な名物料理がある。北海道中の名物料理が流通される札幌市中央卸売市場からやってくる海産物を使用した海鮮丼や北海道の王道郷土料理のジンギスカン、北海道一の芸人大泉洋がプロデュースしたこともあるスープカレーなどなど...。とにかくたくさんある。どれを食べに行こうか...。

どれも魅力的だが、選ぶのがめんどくさくなって結局

 

札幌といったら味噌ラーメンだ

 

という安直な思考で1日目の昼にも食べたが、ラーメン食べる事に決定。

というわけでラーメンを求めて1日目にも行ったラーメン共和国へ向かう。どうやら白樺山荘というラーメン屋がおすすめらしい。しかし、着いてから気づいた。ラーメン共和国ではスマイル共通クーポンが使えないのだ!さすがに観光客がガッツリやってくる所ではクーポン使えないらしい。これはやられたなあ...(調べてないのが悪い)

クーポンが利用できる店を調べてみると、共和国では使えないがすすきの店では使えるらしい。

というわけでわざわざ白樺山荘のラーメンを食べにすすきのまで歩くことに。

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札幌の繁華街をひたすら南に歩いて着いた。単純に札幌駅からすすきのまで距離があったり、道に迷ったりした結果、なんやかんやで40分くらいかかってしまった。

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注文したのはノーマルの味噌ラーメン。

 

クーポンは1000円ごとでお釣りはでないので、ラーメン820円+大盛料金100円+ライス80円の組み合わせで注文することで1円の誤差も出さずに注文できた。

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この後はすすきのの街を横目にホテルへ戻った。途中なぜかこんな写真を撮っていたが、これに関して特に書くことはない。

 

というわけで今回はここまで本日もありがとうございました。

 

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